売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

⑤D専アンドロイド工場「決戦」

「 コンコン、入ります。」

翌日、Aは出勤すると同時にD専アンドロイド工場のオーナー室に向かう。早朝だからだろうか、警備員以外の他の社員は見当たらない。1Fのエレベーターからビルの屋上に直行する。オーナー室は屋上に建てられたドーム型の特別室でプールもあり、草木も植えられ、ヘリポートもある。

「おお、君はA君じゃないか」ニヤニヤ

「あの3人と話がしたいのですが」

「おお!彼らか、彼らならちょっとヒマを与えたよ、休暇みたいなもんだ」

「そうですか、それは失礼いたしました」

「待ちたまえ」

ふ~とタバコを吸い、それを灰皿で消したのち、こう話しだした。

「SSSなんかの組織を抜けてうちで正式に働かないかね?」

(なに!?)

「ドクターZ氏と一瞬、殺し合いになった時に君が取ったファイティングポーズはSSS特有のモノだ」

Aが取ったファイティングポーズは柔道・空手・相撲・ボクシング・ムエタイを融合させた特殊総合格闘技でその存在は公に知られていない。それなのになぜ・・??

「私と一緒に理想郷を作らないかね?」

「なぜSSSという国家機密をアンタが知っている!?」

「ここだ」

コンコン。D専アンドロイド工場のオーナーが人差し指で自分の頭(脳)を指さす。

 「世界トップクラスの3人、あれは素晴らしいD専脳だった!」

「その全てを私が吸収させてもらったよ!」

「海外組を含め、今回集めた49人分のD専脳、全てを、だ!」

(まさか・・キメラか?まさか・・・な)

じじいがつぶやく。

Aが昨日、早退したタイミングを狙って49名の同期が全員、そのオーナーの毒牙に掛かり、最高レベルのD専脳49名分がオーナーの脳に蓄積された。もちろん今回だけではない。今までのD専失踪事件の被害者とされる人数はざっと見積もって3,000人。その中でもとりわけ優秀なD専脳だけを集めて蓄積している可能性は高い。

「ザコなD専脳はアンドロイドたちのエサさ」

パチン!と指を鳴らすと人型ロボットではあるが人間と見分けがつかないほど精巧に作られたD専アンドロイドが10体。

ババババッ!

その一糸乱れぬ動きであっという間にAを取り囲む。

(囲まれた!)

「殺すな、生け捕りにしろ」

「かしこまりましたオーナー様」×10

ババババ!

(上だ)

「おらあ!」バキッ

(今度は右!)

「あいよ!」ゴシャア!

(後ろからキック!)

「うおりゃ!」クルッ!バキ!

じじいと息ピッタリ♡と高揚感にあふれるほどAとじじいのコンビはあっさりと3体のアンドロイドをなぎ倒す。SSSで訓練した特殊総合格闘技の技のキレ味も抜群だ。

「ふん!残り全員、一気に行け」

「かしこまりましたオーナー様」×7

(股間にオーラを集中させろ)

(え!?どうやって??)

(フルおっきさせるんぢゃ!)

(この状況でいきなり!?)

(フォースと股間を信じろ)

(えっと、えっと、、C子とのHがセクシー女優でスレンダーなボインボインに挟まれてヌルヌルな感触がガマン汁のもったいないから飲んじゃお♡的な小悪魔ボイスに囁かれてのけぞるカラダでこれはそろそろガマンの限界!)むくむくむく~

「うおおおおおおおおおお!」じゃっきーーーん!

(キタキタキター!さすが一族の血を引くムスコ!)

(俺はひ孫じゃ?)

(違う違う、ムスコはムスコ!)

「なに!?あれはまさか!?マズい!全員引け!」

D専アンドロイド工場オーナーが叫ぶが時すでにお寿司。

(行け!数の子天井波じゃ!)

「みなぎるパワー!エネルギー320%!膨張率3倍超えは久々だぜえええええ!」

どどどどううううううううん!!!♡♡♡×7

「ぎゃああああ!♡♡♡」×7

(いきなり3倍か、ひ孫のムスコもなかなかじゃわい)

(じゃわい、ってじっちゃん、急にじじい言葉になったね)

(Aがじっちゃんじっちゃんって呼ぶし、こっちの方がしっくりくるしの)

(しかしスゲーな、これ。Hの相手、死んじゃわない?w)

(ん、神の一撃じゃから女性は大丈夫♡さらに大喜びじゃ)

「まさか、数の子天井波の使い手だとは・・。さては貴様・・・」

「すでに【Dの意思】は覚醒しているのか!」

「ふん、昨日ね。オーナー、アンタの差し金でね。」

「なんの話だ?ふん、まあよかろう。」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

「次は私が相手だ」ゴゴゴ・・ピギャアアアアアア!

オーナーの体が変態していく!背中からは大型猛禽類(=鷹とかワシとか)と思わせる力強い羽、その羽を支える体はボブ・サップと小錦が融合しつつ往年の千代の富士を想像させる引き締まった筋肉!これは間違いなく素早いDBの決定版!そして異常に膨れ上がった頭部からは触手のような自由に動く数本の管・・・?

「ふん、使えないヤツらめ」

頭部から伸びる触手のような管が倒れたアンドロイド×10の頭部に伸びる。

「くく、くく、くははははあああ!」

「ほう、こいつはDBの基本~ハイカロリー晩御飯~で有名な料理研究家のD専脳・・」

「ふむ・・・腹が空く前に食え!体格維持のイロハ。と来たか。あのメジャーリーガーだな」

「~世界中の恵まれないDBたちへ~人権活動家のD専脳か。これでD専への愛もより一層高まるわい・・・くふううううう」

(ありゃ~やっぱりこの時代に【キメラ】かよ)

(【キメラ】ってなあに?)

(ワシの900年来のライバルぢゃ)

(強いの?)

(120戦中、1勝1敗、118引き分けw)

(ええええ!つえええじゃん!)

 「そろそろケリを付けようか、【Dの意思】よ」

(やれやれ・・・この時代に遊びに来るんぢゃなかったわい)

 

 【Dの意志】vs【キメラ】

数百年の時を超え、ここD専工場にて121回目の頂上決戦が始まる。

「行くぞおお!」ピギャアアア!バサッバサッ!

「かかってこい!」ボウ!金色のオーラ

キメラの体が浮く。相手は空中からの攻撃を繰り出す模様だ。

「くらえ!超音波!【D専たちの嘆き!】」むほおおおおおおお!

切り裂くような超音波を放つキメラ。その超音波は脳髄を掻きむしるような不快感を相手に与え、戦意を喪失させる精神的ダメージ攻撃だ。

(いきなりこれじゃと?)

「とりあえず耳を塞いでみる!」

(ダメじゃ・・・)

直接相手の脳髄に到達し、その脳髄を【D専たちの嘆き】からボリボリと食い漁られる感覚に陥る。まともな感覚じゃ立っている事すら不可能。防御不可能の必殺技である。

「ふん、いきなり必殺技を出したのは900年前の一度のみ。油断しただろう?わははははは!」

「ぎゃあああああ!」

悶絶するA!その頭皮ごとボリボリと食われていくような錯覚の中でAは何かに気付いた。

(これは・・・D専たちの・・・悲しみ?苦しみ?)うがあああ!

(理解するのじゃ、彼らの嘆きを!)

(ハアハア、頭が痛い、死ぬほど痛いけど・・・何だこれは??)

・・・・・

・・・・♪・

・♪~♪・・♪・・

(セ、セレナーデ?)

Aを包む金色のオーラが次第に変化していく・・・?

(わかったよ、みんな!)すくっ!

Aは頭を押さえながらも立ち上がる。金色のオーラが虹色(レインボー)に輝きだした。

「D専の嘆きをモロに食らって・・さらに、た、立ち上がっただと・・・?」

(レインボーオーラ・・・か、これはすごいのう) 

「D専アンドロイド工場のオーナー、彼らの【嘆き】は理解したよ・・・」

「D専であるが故に受けてきた差別、迫害、悲しみ、不幸な人生・・・その他モロモロの怨念が詰まった超音波のようだけど・・・。しかしながら彼らは変態じゃない。彼らは人間だ!もちろん人間の性癖は様々さ!だがそれはただの個性!それを認める立場にあるもの、それが【Dの意志】!」

「彼らの嘆きはセレナーデとなって私の脳に直接働きかけてくれたよ。これを理解できるのは全知全能、D専の化身、【Dの意志】のみ! 」

「な、なんだと!あの怨念の塊、全てをお前が救済したというのか!?」

「救済?そうかもね。みんな晴れ晴れした顔をしているよ・・」にこ

(やるのう、やはりこいつは・・・)

「みんないいD専たちだ」にっこり

「ふん!じゃあこれはどうだ!」

「超音速!動けるDBこそ至上最強!」シュバババッ!

(この、動きは・・キンポーのおっさん?)

がしいい!!

「と、止めた?」

「なあんだ、キンポーのおっさん手加減してんじゃねーよ!」ぼかっ!

「あいた!・・次はこれだ!超音速シャッターチャンス!」パシャパシャパシャ!

「風呂場の写真、いらないの?」ボソッ

「ぐ!指が!指が動かない!A!貴様何をつぶやいたあああ!」ぐわあああ

「ははは、わたぶ~さん、元気?」

「非D専など、、、、非D専など一緒にいるだけで虫唾が走るわあああ!」

シュパ!

・・・ピタ!

「一ミリの狂いもなく、そして直線距離で狙ってくるのは俺の頸動脈。もちろん左手に隠したそのメスでね」バキ!!!

「ぐっ!小僧!貴様、ただの【Dの意志】ではないなああ!」

(そうなの?じっちゃん?)

(ひゃっひゃっひゃ、久々いいもの見れたわい)

(ところでじっちゃん、なんか必殺技とかないの?)

このままではいくらレインボーオーラでパチンコなら大当たり確定状態とかいいながら防戦一方ではジリ貧だ。

(両手を挙げろ、バンザイのポーズぢゃ)

(そして念じろ、世界中のD専たちを感じろ)

(少しずつ、少しずつ、D専たちのパワーをもらうのぢゃ!)

レインボーオーラに包み込まれたAの両手が神々しく光り出す。

 D専たちのパワー・・・それは悦び、悲しみ、憎しみ、そして・・・愛。すさまじいD専パワーがバンザイをしたAの両手から両腕、肩、脳、内臓、そして股間に流れ込む。

(じっちゃん、すげーよ、コレ、さっきより・・)

「まさか、それは・・・!」ピギャアアア!

(うん、歴代一位の使い手ぢゃの!膨張率が500%超えとる!)

(必殺技の名前とかないの?)

(今、お前の思いで付けたらよろしw)

(わかった!)

「食らえ!D専アンドロイド工場のオーナー!いやキメラよ!」

「世界中のD専たちの思い!お前にぶち込んでやる!」

(カラダ、もってくれよ!5倍超えだああ!)

 

「ミ、」ずずずずずず

「ミ、」ずごごごごごごご

「ズ、」ごごごごごごごご

「や、や、やめろー!!」ピギャアアア!

「千匹砲ーーーーー!」

ずごおぎゃぎゃごごごごごごごーーー!!

うおおおおおおおおお!!!!!

くたばれキメラああああああああ!!!!

「ぐはああああああああああ!」

レインボーオーラに包み込まれたAから放たれたその一撃はまさに「新」神の一撃。まばゆいばかりの閃光を放ち、放たれた快楽のミミズ千匹がオーナーの肉体を浄化していく。

じゅわああああ・・・・ぽわっ・ぽわ・ぽわっ・ぽわ・・×たくさん

「ぐわああ、やめろ!帰ってこい!帰ってくるのだーーー!」

D専アンドロイド工場オーナーの頭部から解き放たれる無数のD専たちの魂!

(何アレ?)

(キメラに食われたD専たちの魂じゃの。持ち主のとこに帰っていくわい)

(みんな元通りになるの?)

(肉体が無事ならあるいは・・。かな?)

(そうか、3人、いや同期全員が心配だ!)

(おや?D専を憎んでたんぢゃなかったのかのう・・・?ニヤニヤ)

(D専は個性、キャラクターさ!それ以前にみんな仲間なんだ!)

(ほう・・・やっぱりお前は・・・)

(デブワード・D・デビィ1世の・・)

(なになに??)

(いや、なんでもないw)

 

こうして潜入捜査は終わり、潜入捜査ついでにD専アンドロイド工場のオーナーの野望を打ち砕いたAは「SSS」へ戻る事となる。

続く