⑭社会に出たらパンツを脱ぎなさい。
~第14話:もろはのティンコ~
ボブ子の奇襲を受けた日からボブ子との持久戦が始まった。
毎晩毎晩押しかけてくるのだ。そして毎晩する。いや、しないといけない。もししないと必ず明け方の私が熟睡した頃を狙って私の上に馬乗りになっているのだ。こっちは寝ているので私の相棒も100%臨戦状態ってワケではないけども、もちろんその場合はムードンコ無しだから危険であるのは変わりない。したがって「妊娠」という事態にならない為にも確実にムードンコ(大きい人用)を自分の意志でしっかりと装着し、確実に避妊しつつ、ボブ子の性欲を満足させる必要があった。
私はスーパー社畜、つまり「パ畜」で深夜2時過ぎ帰りが私のデフォだった。帰るのが面倒な時は徹夜もするけどやっぱり風呂に入らないと臭いし、人に会う営業マンだからなるべく清潔にね♪なので帰るようにしていた。
となると今夜ももちろんボブ子がマンションの前で待っている。
「もう来るな!帰れ!」は何度も言いました。ええ、言いましたとも。そうするとボブ子は近所迷惑なほど大声をあげて「いやーー!部屋に入れてーーーー!!」とわめき散らし、泣き出すのだ。
しかしきつい。きついです。ジワジワと体力が削られていく。毎晩しないといけない。ボブ子を満足させないと寝かせてもらえない。結果、仕方なく回数を重ねていく事にになるのだけども、それと同時にボブ子もどんどん開発されていってしまう。当初は少し痛いとか言ってたくせに。ボブ子はいよいよ私無くして生きていけないカラダなってしまった。これは諸刃の剣だ。睡眠を勝ち取るためにやればやるほどハードになって行くのだ。諸刃のティン、もろティンだ。
そしてまた事件が起こってしまう・・。これはウソのようで本当の話。実話っす。
あまりの連チャン行為はついに私の体力の限界を超えてしまい、なんとボブ子と戦っている最中、グースカといびきをかいて寝てしまったのだ。
(あ、寝てしまった)
と思って我に帰ると、ボブ子がまた馬乗りになっている。鬼気迫るものすごい形相だ・・・。
「お願い!もう寝かせてえぇぇ!(T﹏T)」
そう叫び、ボブ子を引っぺがそうとしたら・・・。
(・・・アレ?)
体が動かない。
え?マジ?マジ?マジ?マジ?マジ~!?
(゚д゚;)(゚д゚;)(゚д゚;)(゚д゚;)
引っ越しヒモ(本とか新聞とか捨てる時に縛るビニールひも)で私の両手と両足がベッドの四隅に縛り付けられてるのだ。
(おいおいおいおいおい!コレ、犯罪じゃねえのか!)
なんとか腰を浮かしたりねじったりして抵抗を試みるも、あまりにも無力、というか「身の危険」を感じた。台所に包丁あるしなあ、これ、ヤバいヤツじゃね?なんて真剣に考えてしまった。こうなったら必殺の「相棒の無力化」をさせるしかない・・・。さすが長年連れ添った相棒だ。いくらオンナ好きな相棒でも「身の危険」を感じると阿吽(あうん)の呼吸で見事にしぼんでくれた。だいたい大股開きの状態で馬乗りされたら相手がいくらスレンダーで細身のボブ子とは言え、腰骨とか皮膚が擦れて痛いのだ。痛いとしぼむのだ。
「アナタの子供が欲しいの!」
「迷惑掛けないから子供産ませて!」
「一人で育てていくから!」
「子供できたら会社辞めて実家に帰るから!」
う~ん・・・
やっぱりボブ子はメンヘラだと思うんだけど、どう思う?
たぶん続く