⑤の続きです↑
⑥ヤクザはヤバいよ~ICBM高高度へ上昇中~
ついに修羅場を迎える。やっぱりバレたのである。
エリカとの関係が。
ただ、ここで声を大にして言いたい事がある。バレるのは仕方ない、バレ方に問題がある、という事だ。
ブランデー2本。酒が弱い二人に代わり、ほとんど私が飲んでいた。
だんだんと私も酔いが回ってくるし、だいたいブランデーのロックなんかガブガブ飲める健康な胃とそれに負けない胃膜を持ち合わせている年頃でもない。トドさんのロレツは回らないし、エリカさまはズバターン!とこけてはテーブルをヒックリ返し、他の客にも絡んでいる。
(うん、いつも通りだ。)
しかしいつもと違ったのは私も酔ってしまったということだ。とにかく胃がひっくり返るように熱い。(ヤバい、とにかく吐かなきゃ)フラフラの千鳥足でトイレにこもる。ゲーゲー吐く。必死で吐く。意識が薄れていく・・・。
(ヤバい!俺、落ちる!・・・・!)
「ガチャ」
その時、トイレのドアが開いた。私は・・・鍵を閉め忘れていた。
さまよえるエリカさまが私を求めて入ってきたのだ。酔ってる恋人同士な二人に言葉はいらない。トイレの中とは言え、二人きりの空間をゲットした二人は一気にヒートアップ。エリカさま改め、エロス様に昇格している相手に私の理性はぶっ飛んだ。沢尻エリカと佐々木希を足したような顔の22歳のぴちぴちのナイスバデーな相手とトイレというたぐいまれなる環境で二人きりになってしまったのだ。今まさに彼女の熱い吐息が私の口から体内に流れ込み、エリカさま改めエロス様と抱きしめ合い、あちこちをまさぐりまさぐられ、私のカラダの自由が奪われつつある状況だった。しかし私はベテランである。私のエロエロズンドコモードが、薄れゆく理性・意識を完全に支配してしまう直前!・・・!
ベテランさながらの防衛本能が働いた。
「カチャ」
私は鍵を閉めたのだ。私のベテランとしての防衛本能は「鍵を閉めればなんとかなる」を選択したようだ。さあ、ショウタイムの始まりだ。
狭いトイレである。二人も入ればぎゅうぎゅうであるが、そんなものはおかまいなし。むしろお互いを近く感じれるってもんだ。ズンドコモード全開の私のICBMもとっくに高高度へ上昇し、核分裂寸前だ。エリカさま改めエロス様も迎撃態勢を取る。そう、当ビル屋上のエアコン室外機の金網で訓練に訓練を重ねた迎撃態勢である。違うのは両手を付く位置が便器の貯水タンクの上部である事だけだ。
かくして私のICBMは左曲がりながらも目標物へ正確に到達。あとは核分裂までの手順をこなすだけだ。一方、エリカさま改めエロス様も私の激しい攻撃を受けながらも迎撃態勢を崩す事なく大音量の気勢を上げ、士気を上げて行く・・・。
(あと少しだ。あと少しで完全勝利だ・・・)
勝利を目前にし、核分裂ボタンを押そうとした瞬間!
「ベキベキ!がちゃーーーーーーん!」
「あ」
二人の動きがとまる。
・・・ドアが開いた。
トドさん(50歳ヤ◯ザ)がドアのカギをぶっ壊してトイレに押し入って来たのだ。
やはり、ここで声を大にして言わねばなるまい。バレるのは仕方ない、バレ方に問題がある、という事だ。
続く