ヒマつぶしに宗教に勧誘された話⑤
「大変申し訳ないのですが」
小林幸子(みたいな衣装をまとったエライ人)相手に戦闘モードに切り替わってしまった・・・。
「私はヤケドした少女を冷水も掛けず、救急車も呼ばせず、🔴🔴だけで治そうとするアナタ方の教えを広めるつもりはありません。下手したら殺人罪ですよ。わかってるんですか?」
「天ぷら油の火も消えるんですよね。でしたら今すぐここ(道場)に火をつけて下さい。すぐに消えるんでしょう?ここには強力な▲▲の力が届いてるハズですからすぐに消えるんでしょ?」
※注:▲▲=なんか神様みたいなヤツ
言ってしまった・・・。でも負けない。私にはレインボーオーラがある(笑)
硬直する全員。硬直する私を誘ったお客様。
小林幸子(みたいな衣装をまとったエライ人)が顔を紅潮させる。
(来るか?)
私の最終兵器はレインボーオーラだ。オーラ測定器だ。
「だいたいなんすか、レインボーオーラって。アナタ方の世界でもレインボーは最強なんすか」
畳みかける。
(来るか?)
「・・・アナタは何か勘違いしているようね」
(は?)
「4日間、話を聞いて教えを信じれない人には資格はなし」
「アナタは貴重な4日間、ナニを聞いてたの?」
普段、温厚なワタシも今ばっかりはレインボーオーラで最強なのだ。
「え?私は楽しみにしてたんですよ?でも、あれで私を洗脳させるくらいのプレゼンをしたつもりなんですか?」
「むしろ、ナニを話してたんですか?あんな話を信じる方がおかしいっすよ」
「天ぷら油、消えるんでしょ?火、付けて下さいよ」
「出て行きなさい」
ラッキー!1秒でも早くここから出たかった私。
「んじゃ、そういう事で」
一緒に監禁された仲間たちに軽く微笑み、病弱そうな女性に「頑張ってね」と声を掛け私は山奥から脱出した。
・・・空気がうまかった。4日目にしてついにぎゃふんと言わせたのである。
どうせなら洗脳されてみたかったな(笑)でもこんな私も一点だけ変わったところがある。
お墓参りに行くのとお仏壇に手は合わせるようになった。その宗教もしきりに「先祖供養は大事だ」と言ってた。その点のみ評価しようと思う。この意識改革で3万円なら安いものだ。人として。
それともう1点、大事な事を忘れてた。私を某宗教へ勧誘した例のお客様の事だ。電話もしきりに掛かってくる。最初は無視してたが、あまりにうざかったので出た。だって一応保険の契約が続いているお客さんだもん。しかも大口だから解約されるとかなりヤバい。
「ああ、勉強になりましたよ。おかげさまでお仏壇に手を合わせるようになりました」
なんとか契約を続けてもらわないとこちらもヤバい。縁は斬りたい。でも契約は続けてもらいたい。生活もギリギリだったしこのジレンマと戦う事を覚悟した。
「渡したいものがあるので会えないか」
相手の保険の担当は私である。会わない口実を作るほうが難しい。結果、後日会ったのだが・・・。
「これ、🔴🔴したペンダント」※注:🔴🔴=手のひらを使って念じます。
聞けば、首に掛けて日々過ごしてほしいとの事。中身はいかにもって感じの金のチェーン+金色した丸い玉・・・だった。
聞けば、この玉はあの道場に直結しているらしい。この玉にエネルギーが送られてくるそうだ。
3万円のペンダントか。金色だし、金なのかな。それならいっか。と思ったけど、どう見てもプラスチック(笑)
「そんで、次なんだけど」
来た、次のお誘い。
「ああ、すみません。(監禁された)4日分、ほとんど仕事できなかったんで当面はご遠慮させていただきます。こちらも成績が掛かってるんで」
ではまた会いましょうと挨拶をかわし、ようやく終わった。
ただ、不思議な事に私が辞めるまで契約は続いていた。(その後は知らんけど)
その人もきっと怒られたんだろうな。次の会合に私を連れてこいと言われたんだろう。正直、契約はどうでも良くなったが、そのお客さんとは疎遠になり、生命保険の担当ってスタイルにしこりを残す事になった。
バーター契約、うまく行く事なんてないよ。全国の営業マンの皆さま、バーター契約は辞めましょう。必ず色々なしこりが出ますよ。
で、某宗教につばを吐いた私に不幸が次々と襲いかかる・・・ってのが次の展開なんだろうけど・・・
続く