「ヒマつぶしに宗教に勧誘された話」パート2
朝7時。ある山奥のいかにもって雰囲気の道場へ集合。
なんと4日間、監禁されたのである。
今回、監禁されに集まった人数は総勢8名。大切な信者候補である。
そのほとんどが中小企業の社長だったり営業マンだった。
聞けばその大半が私のように契約をチラつかせられ、バーターで誘われた人ばっかりだった(笑)
一方、顔色が悪く、病弱そうな女性もいた。きっと救いを求めているんだろうなと思った。色んな人がいるよね。なんでもいいから治ればいいね。
実は半分、楽しみだった。
私はガチガチの無宗派である。
こんな私が洗脳されるくらいのプレゼンを期待していた。
相手としても、貴重な「信者候補」が来ているのである。
相手も本気で来るだろう。
(望むところだ!掛かってこい!)
異様な光景
まずは10名ほどの信者たちの朝の礼拝が始まる。私達はそれを後ろから見てるのだが・・・。
宗教とは縁遠い私には「超」異常な光景である。
その信者たちの代表者的な二人がいた。なんと小学生くらいの女の子二人だった。
動きにムダがなく、きっちりと礼拝を行う姿。ピンと伸びた背中。白いシャツと紺色のスカートをまとった二人、なんだか神々しい雰囲気すらある。その二人に合わせて他の信者たちも礼拝を行うのである。
・・・泪が出てきた。
小さい頃からそんな環境なんだろう。それが当たり前なんだろう。学校ではどう扱われているんだろう。友達はいるのか、夢はあるのか、大きくなったら何になりたいのか。
・・・親でもないのに、さだまさしな気分に浸るのも束の間、真打登場。
導師ご登壇
きらびやかな衣装をまとった導師が出てきた。
きっと洗脳役だろう。(よし、俺を洗脳してみろ!)
私は人前で話すプレゼンが好きだし、仕事柄、人前で話す事も多々あった。
大企業時代に新入社員研修に行った際、まるでおもしろくい経済の話を池上彰先生のようにわかりやすく、そして印象に残る単語を使いながら、妙に腹に響く太い声でプレゼンしている人がいた。どっかのシンクタンクの人らしいけど、その話術で約700人を話の世界に引きずり込んでいった。すごく感激したのを覚えている。そんなプレゼンが聞けるのだろうか。
正直、わくわくした。3万円払っているのである。どんな話が聞けるのだろう。
・・・お話しが始まった。霊界だの人間界だの宇宙界だの話からだった。
興味が尽きないテーマであるが、あっさりと脱落者が出始めた。みんな居眠りを始めたのである。確かに聞くに耐えないほどのスロートーク。
ところが私、寝るどころじゃない。話の内容が支離滅裂すぎておもしろいのだ。元々、幽霊は信じないが、宇宙の話は好きだ。
(3万円分は元を取りたい)
そんな気持ちもあったのか、寝る場合じゃなかった。一人でニヤニヤしながら聞いていた。とにかく失笑してたのである。
一方、居眠りもせず聞いてる私は導師から見ても熱心な候補生と見られたのだろう。
・・・ロックオンされてしまったのである。
続く