売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

ゴキブリATMな私がヒーローになった日

久しぶりに妻と話が出来た。しかも私の順位が上での会話だ。家族の危機を救ったのだから当然の結果だ。

いつも子育てで忙しい妻の家庭内順位は、子供、妻、家事、そしてようやく私だ。子供1位、妻が2位、子育て優先だから家事も大事で、最後に私。普段からのゴキブリ並みの扱いにも慣れてしまった私の威厳などカケラもなく、完全に家族の為のゴキブリATMとして日々、仕事をこなしては月に1度、給料を持ち帰る。疲れた体を引きずって家に帰りついても寝静まった家族に気を使いながら、こっそりコソコソ2階の寝床がある自分の部屋へ、ゴキブリのように足音を立てずに上がって行くのである。そんなゴキブリな私はお小遣いアップの交渉などできる立場ではなく、むしろ妻にはお金で苦労をさせてしまった過去の経験があるからかなりの負い目を背負っている。私がプルデンシャルに在籍していた当時に結婚相手に選んだ妻。結婚当初の二人は狂ったようにパチンコに行っては大金をばらまき、勝とうが負けようが反省会と称して外食の日々。プルデンシャルでの仕事が不調に陥り、給料が激減する中、お金がない事を言い出せなかった私はキャッシングを繰り返し、日々の生活を偽り続けてしまったのだ。結果、借金の上乗せが泥沼夫婦の関係を作り出した。

そんな過去は「パンツを脱ぎなさい」シリーズのネタにしているからここでは約3行でまとめてしまったのだけど、借金を完済した今でも妻に対して負い目がある私は子育てに関する事すら発言権がない。子供の習い事に関しては私も多少なり弾けるピアノをはじめとする音楽関係だけはしっかりとレッスンに通わせているようだからそれ以上は言うつもりはないけど、本当は公園や砂浜で泥だらけになりながら遊びたいのだが、そんな事は夢のまた夢だ。

そんな中、久しぶりの上位互換、ゴキブリな私が家庭内にて1番にのし上がった。まだ0歳の末っ子を除き、今日の私の偉大さは一家の大黒柱として必要不可欠だと認識されたに違いない。

世間ではヒアリだとか、セアカゴケグモだとか、外来種の日本侵略ニュースが後を絶たないけど、我が家にも家族の宿敵が出たのだ、久々に。

マムシ、ムカデ、スズメバチ・・・田舎育ちで幼少の頃より危険な奴らと相見えて来た私にとって、コイツなどただのザコなのだが、叫ぶ妻、怯える子供たちを後目に女・子供はすっこんでろと言わんばかりに家族を守る大黒柱の一撃をお見舞いだ。ただ、相手はすばやい、武器を用意するヒマなどない、そう思った私は考えるよりカラダが反応した。そう、私はいつもこいつで殺ってきた。素手だ。

 

「ぷち」

 

ひいやああああ!妻が叫ぶ中、冷静な私はティッシュで残骸を包んでキレイに床を掃除し、トイレにポイ。何事もなかったかのようにトイレに向かうその私の後ろ姿はさりげなく立ち去るヒーローのように見えた事だろう。まるで私はシティハンター冴羽獠でTMネットワークの「Get Wild」がエンディングに流れてきてもおかしくないシチュエーションだ。

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「いやーん、最近出なかったのに・・・」

「ん、まあ仕方ないさ、あいつら3億年前から生きてんだから」

「ありがとね、アナタ達もお父さんにお礼言いなさい」

「おとさんありがと!」

ゴキブリATMな私が久しぶりに家族の一員として認められた気がした。そして私も私は紛れもないこの家族の大黒柱で、この家族を守り、養っていると再認識だ。

そしてさっき、風呂に入って来たのだけど・・・

「ぼた」

「さわさわ」

「うげっ!」

全裸で風呂の扉を開けた瞬間、私の肩に落ちてきた。久々にこんなデカいの見た。ちょっとビビったくらいデカいヤツが。こちとら全裸だし、武器は数々のメンヘラ女を射止めて来たマイおティンティンとシャワーくらいしか。でも熱湯が出るには時間が掛かるし、そもそもおティンティンなど最近使ってない。こいつを仕留めるには・・・。

「ぷち」

あ~あ、やっぱ気持ち悪いわ、足で踏んだけどまさか一日2回も出るとは思わなかった。ここ1年、出なかったから安心してたけどね。バルサン炊きたいけど、乳児いるからホウ酸団子系かな・・・。適度に出てくれたら父としての威厳も保てることが判明したのでそれも良しだけど、やっぱり・・・ね。ここで一句。

ゴキブリが、取り持つ夫婦の会話と威厳。

おわり