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売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第31話:アダルト過ぎる関係~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第31話:アダルト過ぎる関係~

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「あの二人、うまく行ってないらしいぜ」

アニキさん(ノリピーの上司)が言って来た。あの二人とはもちろんノリピーと御曹司、新居は高級マンションで先日、婚姻届けを出したばかりの二人の事だ。

アニキさんからも仕事をもらっていたのでちょこちょこと商談もあり、本当にアニキさんは頼りがいがあって業者や部下から超人気の男性だけど、ノリピーのダンナである御曹司からその人気ぶりを妬まれていた。だからアニキさんはいつまでたっても出世できないのだ。

「ああ、そうなんですか」

気のない返事をしたには理由がある。というか知っている。わかっている。身を持ってわかっているんですよ!

 

ほぼ毎晩、私の住むマンションに来るんだよ・・・!

 

ノリピーと御曹司の住む、新居である高級マンションと私の住むマンションがなんとぼちぼち近いのだ。片道タクシーで2,000円前後の距離。御曹司が寝静まった深夜2時くらいからごそごそと起き出し、マンションを抜け、タクシーを捕まえる。

 

「ピンポーン」

 

Σ( ̄◇ ̄;)!ビクゥゥゥッ!

 

今夜も来た。ノリピーが来た。寝巻で来た。だいたい深夜とは言え、寝巻で外をうろつくなんてカスのやる事だぞ?多少は都会から離れた田舎とは言え、それは田舎ヤンキーのやる事だ。たまにドンキホーテなどで見かける深夜徘徊を繰り返すクサレヤンキーと変わらんぞ。しかもそのまま私のフトンにもぐりこみ、Hに突入。そしてHが終わったらダンナの目が覚める前の朝方5時頃に帰って行くのだ。そうか、合理的だ。クサレヤンキーとか言って悪かったね。移動はタクシーだし、朝までダンナの隣で寝てた事になっているし、ダンナとHする代わりに私とHをするだけの事だから寝巻が合理的だね。さすがノリピー。

つまり全く、全然、さっぱり、ノリピー危機は終わっていなかった。つーか、最悪のパターンじゃね?ノリピーと御曹司は婚姻届けを出しているので、つまり正式に夫婦なワケだ。ということでこれは奥様を寝取った形になる。浮気?不倫?よくわからんが、とにかく倫理上、大変マズいワケです。

「あの人キライ」

だーかーらー、キライだろうが何だろうが、婚姻届け出したんだろうが!お前のダンナだろうが!夫婦だろうが!こんなオンボロマンションより高級マンションの最上階?どうか知らんが上の方らしいけど、家賃もここの倍以上だし、いずれ一軒家を建てるかどうかは知らんけどそれまでの仮住まいだとしてもそんな生活が送れる女性が世の中にどれだけいると思ってるんだ!?お前は金持ちの「億様」になったんだよ。お・く・さ・ま!キライだとかそんな子供みたいな事言ってないでこの先の人生を考えろ!できるなら俺が代わりたいわ!俺はカネが欲しいんだよ!俺は忙しいんだ、お前につぎ込んだ借金を返していく為にこれからもドロドロと客や上司、工場や現場のおっちゃん達にへこへこしながら働いて行くんだよ!できれば借金はパチスロ北斗の拳とパチスロ吉宗で全部取り返したいところだけど、そう思って今日も負けて来たんだよ!明日こそは絶対取り返すし、そろそろ必勝の予感がするんだ、お前にかまってる時間はない!かまってほしけりゃカネ持ってこい!仕事としてなら抱いてや・・・・

 

・・・もう辞めたのだ、そんな事は。私はボブ子で懲りたし、ボブ子だって可哀そうだった。パンツを脱いだ結果、確かに社長賞2回、今も取引停止になった会社をことごとく復活させ、堂々たる数字を挙げている。おかげでこの会社のエースとして全国的に有名にもなったし、全国で初の試みを試した結果、今の会社で新たなビジネスソリューションすら生み出した。例えるのは難しいけど、ヤマダ電機が電化製品とはまったく関係ないように思える住宅事業に進出したりするようなイメージかな。そしてそれを成功させて初めて成功だ。それを私のようなバカで干されて自主退職に追い込まれそうになったダメダメ営業マンが新たな事業を当然のように成功に導いた結果、全国に1万人近くいる営業マンも大々的に私と同じ事をやれと本社から指令が出た。全国の営業マンが私の仕事のやり方を聞きに訪れたり、逆に全国各地に講習に行ったりもした。そうなるといよいよ本部長も折れる時が来つつあった。犬猿の仲である私達の決闘についに終止符が打たれる時が来る時も近い。いわゆる絶好調時代だったのでもうパンツを脱ぐ必要はなかったし、自分で蒔いた種とは言え、今、プライベートで問題を起こすのはまずいのだ。私は自分で蒔いた種というか、パンツを脱いで怒らせた本部長を倒すためにここまで頑張ってきたし、むしろそんな事はどうでも良くなっていた気もしていた。なので頼む、ノリピーよ、もう俺の事は諦めておくれ。期間限定って約束だったし、自傷癖だって治ってきたじゃないか、絶対に将来、俺に感謝する日も来ると思うよ(たぶん)、なのでもう大人になるんだ、ノリピーよ。

 

という私の心の叫びは全く届かず、ずるずると「大変お世話になっている会社の社長の跡取り息子の新婚ホヤホヤの奥様をダンナが寝ている隙に夜な夜な抱く」という、とうていAVでも再現が難しいような泥沼の、アダルトすぎる関係が続いていた。

 

それと借金。

 

毎日24時更新頑張る。続く。