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売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第28話:ティンコの代償~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

㉘社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第28話:ティンコの代償~

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サヨナラボブ子。

ボブ子がかわいそうだとお叱りをいただく事もある。だけど本当にそうだろうか。かわいそうなのは私ではないか、と言うとかなりのバッシングも予想されるので、敢えて私は鬼畜のカス野郎だと自虐しておけば少しは私も救われる気がする。元はと言えば、私の仕事の為に私のティンコ営業の餌食になってしまったボブ子はメンヘラでストーカーで淫乱になってしまったワケで、やっぱり元はと言えば私のせいかもしれない。だけど、だいたいこの子が私の人生の伴侶になるワケもないので何度も新しい恋をすすめたり、時には優しく、時には冷たくボブ子の将来を思って突き放した。自分で言うのもなんだけど私は優しい性格だとも思っている。小さい頃から私は「この子は優しいねえ」と近所のおばちゃんに言われて育ったから間違いないと思う。私は人に嫌われる事を極度に嫌う性格だし、なるべく人は傷つけたくない。だから冷たく突き放した時などは断腸の思いだったし、ちょっとくらいは責任を感じていたので本気でボブ子の幸せを祈った事もある。

「もう来ない」とボブ子が言った。聞けば新しい恋を見つける事にしたそうだ。いくら私に会社の情報を流しても、私に言われるがままの金額で案件を発注しても、私をストーキングしても、しつこく付きまとっても、飯をおごっても、Hを繰り返しても、最終的にお金を渡しても私がボブ子の事を好きになってくれない事でふと我に返ったと言っていた。恋は盲目と言うが盲目を覚ますお金の力は偉大だ。正気に戻ったおかげか周りの男性を見る余裕もでき、どうやら社内で気になる男性を見つけたようだ。幸せになってくれ、心から祈っている。夜のバイトが無くなるのは痛いけどぶっちゃけ私のおティンティンも擦り切れて痛いのだ。

という事で前置きが長くなったけど結論を言う。ボブ子と私は今でも付き合いがある。彼女は現在とても幸せだ。優しいダンナさんと子供3人に囲まれ、今もたまにLINEでお互い近況報告など交わす間柄だ。

さて、とりあえずボブ子は幸せへの階段をここから駆け上がっていく事になる。その一方、私はこれからまるで今までの非道で鬼畜な報いを受けるかのように人生を転がり落ちていくのだが、それはもうちょっとだけ先の話で自業自得。

火にくべられた水に浸かったカエルはそのまま熱湯になるまで脱出するタイミングに気付かずにいつの間にか沸騰するお湯の中で茹でられて死んでしまうそうだ。ボブ子という資金源を絶たれた私は必然的に今以上に「むじん君」の世話になる事になるが、今まで豪遊していた生活をすんなり変えられるのは至難の業だ。気が付いた時にはすでに水はグラグラと地獄の釜のような煮沸状態だった。だって、パチンカスなノリピーと二人で1回10万くらい負けるんだぜ?パチスロ「北斗の拳」のみならず、伝説の名機である「吉宗」にハマってしまった事で負け方も上限なしに増えて行った。しかしながらノリピーとの恋愛のペースを落とすワケにもいかず、もちろんデート代(パチンコと飯とホテル代)も私が払っていたおかげか、いつの間にか毎月「むじん君」に返さないといけないお金が10万円を軽く超えるようになっていった。当然払えるワケもなく、「自転車操業始めました。」的な感じで他社からも借り入れを行いつつ、ボーナスで返してはまたティンコ営業を続ける。つまり、身銭を切って仕事をしていたのだ。社畜、いやスーパー社畜、つまり、パ畜。おかげで私の売上数字はうなぎ登り、借金もうなぎ登りというワケのわからない報酬比例方式的な雪だるまになって行った。

しかしながら結果的にそのクライアントを完全にライバルA社からの取返しに成功し、全ては順調かと思われた。いつか返せるだろうと高を括っていた借金を除いては。

それともうひとつ。

ノリピーも普通のオンナじゃなかった。

というか、普通のオンナじゃなくなってしまった。

つづく