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売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

~第26話:恋は真剣勝負~社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

㉖社会に出たらパンツを脱ぎなさい。

~第26話:恋は真剣勝負~

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ノリピーとの真剣勝負の戦いが始まった。今回ばっかりは時間がない。3か月以内にノリピーを完全にスパイに仕立て上げる必要がある。数年前、同じようにボブ子や女王から内部情報や競合他社情報をもらいながらガンガン数字を挙げていったバブリーな実績だってある。バブルは起きるものじゃない、自分で起こすんだ。

だいたいノリピーはかわいいし、好みかと聞かれれば必ずしも好みではないかもしれないけどそれは贅沢ってもんだし、だいたいクライアントの社長の御曹司様と婚約しているって事なら尚更燃えるってもんだ、ここで燃えなきゃオトコじゃねえ。俺は貧乏育ちだ、実家に車なんかなかったし、ファミコンだって買ってもらえなかったし、おやつは梅干し、遠出するにも自転車で足腰を鍛え、毎日イワシと肉ジャガと味噌汁食ってカルシウムばっちりで育って来たんだ。金持ち相手に負けてたまるか、オトコはカネじゃねえ、ハートとおティンティンとむじん君だ。幸いにしてボブ子との夜のアルバイトのおかげで多少のお金はあるし、ラオウだって連チャンで昇天させたから最近は20万円ほど勝っているし、困った時にはいくらでもお金が出てくる「むじん君」だってある。ボロは着てても心は錦、雑草の意地だ、貧乏育ちを舐めるなよ。

 ノリピーも結構、いいとこ育ちのお嬢さんでどうやらノリピーのオヤジさんと社長が親友らしく、その社長の息子である御曹司との結婚話もトントン拍子で進み、お互い不満もなく結婚式を迎えるようだ。ふふん、そこにクサビを打ち込んでやるよ。ノリピーよ、俺という影を残して結婚してくれ、そして仕事をたくさんくれ、御曹司でも社長でも仕事を頑張る俺の事を上手に吹聴してくれ。そしてライバルA社の見積り金額とか内容を俺に教えるんだ。だいたいライバルA社の内容がわかれば誰だって勝てるハズだ。そしてポイントはここ、俺はバカだし仕事はデキないけど、体力だけはあるし絵に描いたように寝ずに仕事するくらいなんて事ない。「とにかく頑張る担当」「徹夜してでも御社に尽くす担当」は社畜育ちのオッサン世代には効くだろ?俺の存在を上手に進言しろよ?世の中は草食系が流行りかも知れないけど俺はそんな世界は知らない。何度も言うけど貧乏育ちは「勝ち」に貪欲なんだよ。いつもお偉いさんやお金持ちに歯向かってしまうのはそんな貧乏根性な環境で育った背景があるのかもしれないなあと自己分析しつつ、まずはピュアなハートでノリピーを愛する事から始める事にしよう。レッツ恋愛。

とにかく時間がない。ここはストレートに行こう。ここからはマジメ人間だ、どんな言葉で気持ちを伝えようか、色々考えたけどこんなセリフでどうだろうか。

「好きになりました。いつもノリピーさんの事を考えてしまってます。ダメだとわかっているのに好きという気持ちが抑えられません。お願いがあります。もし良ければ結婚までの残り6カ月、ほんの少しだけでいいです、ノリピーさんの大事な時間と気持ちをほんの少しだけ私にもらえませんか。形だけの恋愛で構いません。ノリピーさんと恋愛させて下さい。ほんの少しの間でも一緒に居れれば満足ですから」

私にとって最高に都合がよく、なおかつ相手も丁度良いと感じる距離感を交渉だ。こんなセリフを言うだけ言って、あとはノリピーの出方を伺おう。断られてもいいけどだいたい俺たちはHしちゃってるんだぜ?つーかもう一回しようぜ。お前もしたいんだろ?今度は乱れていいからよ。俺の事、好きになれよ。オレも好きだからさ。

 

「独身の間、俺と遊ぼうぜ」

 

「へへへ、うん」

 

結局、色々と頭をひねって考えたセリフを集約すると口から出た言葉はこうなってしまったのだが、短いかつ、ピンポイントで気持ちを伝えるという、我ながら気の利いたセリフで、ノリピーを自宅近くのJR駅まで送る途中に人影のない駐車場でねっとりとしたキスをしつつ耳元で囁く。ぱいおつなおっぱいにもソフトタッチで触れつつ、俺はこのノリピーを心の底から愛すし、もっともっと一緒に居たいんだ。

感じながらうっとりとしたノリピーに問いかける。俺達がもっと同じ時間を過ごせる方法があるんだよ。聞いておくれ。

 

「もっと昼間とかも俺と会いたくね?」

「今度の案件、A社の金額教えてくれよ」

「いいよ、それくらい」

 

さすがノリピー、パチンカスの鏡だ、根もカスだ。もらったぜ。

 

カスですが続く

続いていいですか。あと少し。