売れない保険屋さん

セールストークのネタになれば。

②「母性本能」進撃のファンタジスタ

お前は将来、どうなりたいんだ?という私の質問に「適度にお金があって、エアコンが効いた部屋で寝て過ごしたいです!」と返す彼に対し、では今はどうしたいんだ?と聞き直せば「エアコンが効いた部屋で寝たいです!」と言い放つこのファンタジー漂うどうしようもない彼の軸は間違いなくブレてはいない。とにかく眠いんだろうし、包み隠さず自分の欲望を述べる彼を少しだけウラヤマシイと思う事もある。ただ、こんな回答が欲しかったワケではないし、こんな回答が来る事など全く予期していなかった私は反論ひとつ言い返す事が出来なかった、というか人間の基本的欲求をストレートに伝えて来られると人は思うように反論できないという事がわかった。戦いはもう始まっている。(何か彼のいいところを見つけなきゃ・・・)と必死になって彼を観察する事3日、ひとつ目を見張る事実を見つけた。観察と前の部署からヒアリングを重ねた結果、どうやら女性社員から大人気なのだ。仕事ができない彼と自分を比べる事で安心感が生まれるのかもしれないし、人に教える快感を味わっているのか、それとも既にほっとけない存在なのかもしれない。エアコンが効いた部屋で寝続けたい彼は北斗の拳に出てくるハート様ばりに太ってはいるし、このぽっちゃり感も手伝って、女性社員の母性本能をくすぐりまくって人気なのだろう。

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「うちの母親にも大人気ですよ!」

「え!?アイツ、お前のお母さんに会った事あんの?」

「いや、ないです」

つまりこれはどういうことか。女性社員が帰路に着けば、自宅での食事や家族団らんの時間にどうやら頻繁に彼の話題が登るらしく、ファンタジスタの彼は会った事もない女性社員のお母さん(55歳)をとりこにしているらしい。

「あの会社の社長の息子」という名誉すぎる、うらやましすぎるレッテルが貼られているが故の宿命かもしれないし、そのファンタジーさ故のギャップのおかげか彼は色々なご家庭の茶の間で大人気という事だ。おそらく私など話題にすら上がらないだろうし、自分がいないところで良くも悪くも話題に上がるという事はそれだけ「無視できない存在」ということだ。

決めた、こいつをうちの会社のマスコットキャラクターに仕立ててやろう。女性の深層心理に訴え掛ける何か、サムシングエルスの持ち主なのかもしれない、オトコの私には到底理解できないがきっと何かさらにうちの部署の数字や会社の成長を著しく伸ばしてくれるヒントがそこにあるかもしれない。

「喜べ、お前、CMに出してやるからな」

「あ、顔出しNGなもんで」

速い!速すぎる回答、最速だ。いつもなら「えーと、あーと、アレがコーダ、コーダがどーだ」と結論が出ない彼にもかかわらず、信じられないスピードで即答だ。「顔出しNG」と即答する彼を説得する気力もなく、超最速でこの企画は倒れた。むしろ「NG」だなんてアルファベットを使った回答で意思表示をした事にも驚いたのだが。私だったら「是非!」とお願いするのだけどなあ。「私のお父さん、CMに出てるよ」なんて自慢する娘の顔が目に浮かぶし、何より不在がちな父親をブラウン管や液晶を通して見る事ができるのだからこれ以上ない家族への贈り物にもなるし、なんと言っても誰にもできることじゃないからこんな事ってチャンスじゃないの?「俺、出ていい?」「やめて」なぜか私の家族に対する思いもむなしく、妻にこれまた最速で一蹴されたのでキャスティングも考え直さないといけない。

そんな事より、ヤツだ、ファンタジスタのハート様をどうにかしないと。

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次回:きみたちは大事な労働力なんだ

続く(微妙

①「ファンタジー炸裂」進撃のファンタジスタ

今年も暑い夏が来た。来てしまった。照りつける太陽とタイマンを張る毎日を過ごしていると同じくタイマンで挑んだ熱い戦いを思い出す。それは1年前、「ファンタジスタ」と呼ばれた彼との1対1でのガチンコバトルだ。

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ごみ処理「再生」チーム・ごみ処理「処分」チーム

私のチームの隠れた別名であり、他の管理職メンバーは冗談交じりに私のチームをこう呼ぶけれど、これがけっこう嫌いではなく、むしろ有難いと思ってしまう。

なぜならば私を筆頭に「落ちこぼれ」が集まるチームであるのは間違いないし、他の部署で「使えない」と判断された社員がなぜか行きついてしまうのが私の部署だ。まるで私の過去を見るような子たちを一人前にしてあげたいと思ってしまうし、そんな行き場のない子たちが脚光を浴びるように成長してくれると本当にウレシイのだ。処分ではなく、再生するのだ。この感覚は落ちこぼれだった私を救ってくれた生涯の恩師にあやかっていると思う。(※パンツ話参照)実際、今や私でもかなわない知識を持った社員へと成長してくれたメンバーも多く、そうなることで私がどっぷりやってた仕事を丸投げできるから私はどんどん仕事がラクになるので最高だ。

さて、そんな落ちこぼれの烙印を押された社員の名前が挙がると緊急会議が開催され、中間管理職である私達も収集されたその場で社長及び幹部役員が次々と口を開く。

「あいつをお前のチームにやろうと思って」

(会議という名の決定事項の伝達じゃねーか)

「一人増えたからお前のところはもっと仕事できるな」

(さっきまでアイツの能力は普通の3分の1以下とか言ってたのに)

「人数増えたから目標も倍だからな」

(1人どころか3人くらい欲しい目標設定なのだが、バカなのか?)

ありがとうございます。他の部署でまったく使い物にならなかった社員を私のチームに押し付け・・いやいや、入れていただけるんですよね。

漢字どころか平仮名すらまともに書けない、アルファベットは象形文字、契約書類が忽然と姿を消す一流マジシャンのような特技を持ち、他人のスーツや靴を平気で間違えて着こなしては違和感を感じずに帰ってしまう。その言い訳は大変聞き苦しく100%ウソだと関係者全員が思うのだが、本人はいたって真剣であり間違いなく彼の記憶の中ではウソは付いてない。小人や魔法使いと言ったファンタジーの住人がこの世に存在しない事にはあり得ないような出来事が本当に起きてしまうから手に負えない。これまでにたらい回しに行った様々な部署で数々のファンタジーを巻き起こしたスーパーファンタジスタが次の相手だ。こんな25歳はまさに次世代スーパースター。こいつはいささか強敵だ。大切な契約書類を無くすことなど日常茶飯事、自分が勤めている会社の名前すらまともに言えない(覚えていない)ツワモノが相手なのだ。

元よりなぜこんな社員がいるのか。あるカテゴリーにおいては全国トップクラスであるうちの会社の入社基準はもちろん厳しく、中学生レベルの日本語の読み書きが出来たり、他の社員やお客さんとお話ができたり、欲を言えば小学生・中学生が覚えるアルファベットや英単語をなんとなく覚えているかも・・・といった日本人が義務教育課程で最低限学習してきた基本的なスキルが必要と言った入社基準だ。一方、最終学歴が中卒だったり履歴書に自動車学校卒と書いてきた社員でも上記のスキルがあれば大きく羽ばたける環境も準備していて、誰もが憂鬱と感じる月曜日を「日曜日と間違えて休みだと思ってました」などと言って堂々と無断欠勤を試みない限りは大きく飛躍できる可能性があるのだ。

だれもが憂鬱に思う月曜日を真剣に日曜日だと思っていた彼は面接での判断では間違いなく入社不可だろう。ではなぜ今ここにいるのか。それは大手取引先の社長の息子だからだ。数々の記録を打ち立てているうちの会社で是非預かって欲しいと打診があったのだ。「うちの息子に限ってバカじゃないから」とその社長は言ったし、それならば経営戦略的、戦国時代で言えば人質な面も手伝って昨年の春よりうちの会社で社員として働いてもらっていた。当初は各管理職及びスタッフが必死になって教育を行っていたが、どんな部署でもファンタジーの連発、波乱・旋風を巻き起こしてきたスーパーファンタジスタを面倒見切れる部署が無くなり、ついに我が経営戦略チームの一員として迎える事になった。

(アスペルガー症候群ではないか?)

仮説を立ててみた。私もよく知らないアスペルガー症候群とやらの特徴を調べるいい機会だし、まだ世の中でこれが病気だと認知されにくく、「甘え」「努力不足」と言った言葉で一蹴されてしまう可能性がある病気らしいし、もしそうならばそれなりの対応も必要だろう。ここではググった内容は割愛するが、結論を言うならばだいたい合ってる気もするけど、微妙に違う気もするのだ。

 (微妙にアスペじゃないかも?)

次に目を付けたのはハシはおろか鉛筆の持ち方もドラえもん、という事だ。私も未だにハシの持ち方が微妙な方は少々見かけるが、鉛筆の持ち方がドラえもん、という方々にはあまり出会った事がない。

結論で言えばアスペルガー症候群50%、親の七光りでノンビリ育った純正のバカ50%なのだが、大学まで行った結果、中退しているという事は大学まで受かったという事だ。どうしたら大学に受かるのだろうか、狭い日本、この少子化の世の中、名前を書けば受かる大学があるのか。しかも親の名前すら間違えて書いてしまった彼が受かる大学が。

そんな彼も重要なメンバーの「1人」とカウントされてしまった。つまり一人前に育てる必要があるのだ。そして会社の経営戦略部分を預かるうちの部署で活躍してもらわないといけない。 

「ファンタジスタ」との戦いの幕が切って落とされた。

つづく(たぶん

次回「母性本能」

【見込み客発見】の落とし穴~法人営業~

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プルデンシャルの時代に陥った「法人営業の落とし穴」を少し書きます。

大企業出身者は気付かないのです。私もそうだったけど、ほとんどの大企業出身者はこのトリックにハマります。行っても行っても契約など決まらないのです。なぜか。

見込み客として思いつく会社が「大きすぎる」って事。

大手企業からプルデンシャルに行った人って、大きな会社と取引してた経験がある人が多いです。いくらその下請けの下請けの下請けでもけっこう大きい。

社屋がある=会社・・と思ったら大間違いです。会社と言えば、看板があって、机があって、オフィスがあって、女性の事務の人とかもいて、いくら小さい会社と言えど、オフィス街のビルの一室に事務所があって・・・。誰もが想像する会社ってそんな感じ。ところがそれらをターゲットにできるのは「ごく一部」の優秀な営業マンですね。

民家が立ち並ぶ集合住宅地を歩いてみてください。たくさん会社があります。気付きますか?軽トラがあったり、ペンキで汚れた脚立があったり、作業着が数着干してあったり。これらは何かしら事業を行っているサインです。もちろん個人事業者も多く含まれますが、意外と儲かっている会社が集合住宅地にたくさん隠れています。エレベーターも付いてないようなアパートの郵便受けを見てください。たくさん会社があるのがわかります。ご丁寧に会社名とか書いてくれてたりすると天にも昇る気分ですね(笑)私はプルデンシャルを辞め、数回転職を繰り返している時、この事実に気付きました。中小企業の割合は99%なのです。みんなこの99%を狙わない。大手の1%ばかりを狙おうとするのです。

では、次にどうやってこの99%にアプローチするか。これが難しいのですが、一番は良いのは「飛び込み営業」です。ただ、生保の飛び込み営業などこのご時世、アホかと思われますしやるだけムダですが、一日100社、1週間で500社ペースで飛び込めば可能性はあると思いませんか。数の理論です。いつか絶対に保険に入りたい人・会社に当たりますよ。

それから、ありがちな事ですが経済団体の集まりや名刺交換会、異業種交流会とかに会費を払って出席し、アプローチしても時間のムダです。飛び込み営業した方がよっぽどマシかと思います。私も多く出席しましたが、ほとんどの出席者が「営業目的」で出席してますので、売り込まれても買うワケがありませんし、「こいつは保険屋だ」ってわかった瞬間、ほとんどの相手の顔がおもしろいようにツレナイ表情に変わって行きますwそれにすでに何度も出席している他社の生保の営業マンがほとんどの会合では実権を握ってました。

ではどうするべきか。なかなかやれないし、時間が掛かるけど、これが出来たら「強いな」と思う方法がひとつだけあります。

自分で異業種会を作り、運営する

異業種会だなんて世の中たくさんあるし、みんな何かしらを狙って運営してると思うけど、自分で作って運営する、これを実践して成功したプルデンシャルの営業マンを数人知っています。その代わりとにかく大変そうでしたね。参加者の人たちをキッチリとエスコートできる技量も器量も必要で、参加者の人たちに利益をもたらす事を最優先、自分の保険の話だなんてしちゃダメです。月1ペースでの開催で、とにかく参加者に利益をもたらせて満足させて「また来たい」と思わせる会合を作り上げる事ができれば強いネットワークが構築されて行きます。個人でもいいけど、事業主単位で集める事ができて、その中で参加者同士で仕事が発生するようになったらしめたモノですし、すでに世の中にあるデキ上がってる異業種会など、保険屋だらけでなんの魅力もありません。

なので、今、私が飛び込み営業をするならば事業者の多いエリアに絞って「会合のお誘い(仮)」名目で飛び込みます。保険の話は聞いてくれなくても「会合の話」なら聞いてくれるかもしれませんし、エリアを絞る事で「あの人が行くなら」となるかも知れません。案外、世間は狭いですから。

今、私がやるならば「会合のお誘いチラシ(仮)」を作って飛び込みターゲットにポストイン。翌日にチラシを入れたターゲットに飛び込みアタック。この行為はプルデンシャルには一切関係ないし「保険業法」にも抵触しないのでコンプラだとか面倒な事も不要(と思う)。どうせ飛び込むなら「保険の話」ではなく「会合のお誘い(仮)」で飛び込むなあ。もちろん怪しまれないように、おもしろおかしい会合のキャッチコピーなんかも考えるけどね。

プルデンシャルは「飛び込み」禁止でしたっけ?(笑)

「紹介の無限連鎖」があるからそんなドロくさい事はする必要ない?

ちなみに私も一日100社ペースで飛び込んでましたヨ。保険営業以外の飛び込みだったけど。ぼちぼち成果は出ましたけど、どうせならこんなおもしろそうな内容で飛び込みたかったな。もう飛び込みたくないけど。

おわり

ボーナスいりません。

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最近、想像を超えた出来事があった。これは今後の教訓にもしたいし、世の中、思い込み、無知、興味がない、身をもって体験しないとわからないとは本当に怖いものだ。

 

①社員のみなさん、給料が上がったらウレシイですか?

はい・いいえ

②社員のみなさん、ボーナス貰えたらウレシイですか?

はい・いいえ

③パートのみなさん、時給が上がったらウレシイですか?

はい・いいえ

④パートなのにボーナス貰えたらウレシイですか?

はい・いいえ

 

私だったら自分が社員であれパートであれ、全ての設問は「はい」なのだけど、皆さんはどう考えますか?

どうやら世の中は違うようですよ、社長さん、ご注意ください。経営側としては社員であれ、パートであれ、優秀な人材には高時給を払い、感謝の意を表すとともに他社への転職や離職を避けるためにも給料ってものは優秀な人材ほど高めにする。そうする事で全員が喜ぶものだと思っていた。

 

「ボーナスいらないんですけど」

ある社歴の長い、優秀なパートさんから言われた言葉だ。ならば俺にくれ!と言ったけど、どうやらそういう事ではないらしい。主婦パートにありがちな「130万円の壁」に代表されるような報酬比例であーだこーだと言うのはとても深刻な問題らしく、例えば少しでも130万円を超えるようなら何のために働いているかわからないらしい。ご存知の通り、主婦の年収が130万円を超えると夫の扶養に入れず、自分の給料から健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料(40歳以上)などの社会保険料が自己負担になるし、かと言って大きく稼ごうかと思ってもそれは社員にならなければなかなか難しく、中途半端に150万とかになったら逆に手取りが減る可能性が高い、つまりは働き損なワケ。さらに公営住宅の家賃や保育料などは前年の住民税の納付額で上がっていく、つまりは報酬比例で、年収が上がれば一気に引かれモノが増え、特にシングルマザーなどには大打撃。高額療養費制度の自己負担額とかも変わるしね。低所得者層ならとても安いし、病気がちなお子さんがいる家庭とかならとても大事な事だ。

「給料あげてやろう」

「ボーナス出してやろう」

世の中の社長さんは偉そうに言う。もちろん1円でも多く給料が欲しい私には大変ありがたい事で、この言葉を引き出すために日々、ゴマすり含めて頑張っていると言っても過言ではないが、これがパートさんにとっては「とっても有難迷惑」とは・・・。

つまり会社が発展するにあたり、労務に携わる者の給料は微量なりとも上がっていくもので、それには社員やパートさんに対して感謝の意味も含まれ、「高い給料=喜んでくれる」と思っているのだけどそれが大間違いだという事。パートさんを雇う時もしっかりその辺りの部分の話をしないといけないし、今頑張って働いてくれているパートさんも随時、フォローが必要だ。

ところが、パートさんの立場が弱いのは事実で、なかなか会社とは交渉もしづらい現実がある。「ボーナスいりません」などと言おうものなら「パートにも出してやったのにふざけるな」となる。これは勘違いも甚だしいという事をしっかり認識しておかないといけません、儲かってる偉そうな社長のみなさん、そんな感情はありませんか?

いや~勉強になったわ、机上の空論とはまさにこの事。内容は知ってても「身をもって体験している人たち」にはかなわないですね。その人たちにだって大事な生活があるんだし、シングルマザーは特にシビアだ。

160万円くらいからは働き損ではなくなるらしいけど、保育料とか公営住宅費とかどうなるんだろ。つーかだいたい「働き損」とか本当にそんな制度、しっかり考えなおせよ。今度の税制大綱、どうなるんだろ。

おわり(所得税が一番アホらし)